New Road Bike – TSURUOKA Racing / DONTZER

DSC02157ロードバイクに乗り始めて15年、xx台目のバイクを投入しました。アルミから始まり、カーボン、途中でイタリアンな鉄、カーボンが続いて、xx台目はフルオーダーのクロモリです(厳密にはニッケル入り)。フォークはカーボンで、コンポーネントは最新の11速。現代版のクロモリバイクです。北米開催のNAHBSで火が付いた構成を日本のNJS(競輪)の技術力で実現したらどんなことになるのか、そんな妄想を具現化して頂いたのが、今回のバイク。

DSC02159このバイクを一言で表すとしたら「カーボンキラー」、まさにこの言葉が当てはまります。むしろカーボンがこの領域に近づこうと努力している、それぐらいのインパクトです。その優れた特長は、フレーム全体のバランスで実現している弾けるような弾性、と言えます。これが上りでも平坦でも一気に脚を回して加速出来、さらに高速維持にも優れるという、素晴らしい動性能へと昇華されています。

硬いフレームにありがちな踏み込むときの嫌な反発は姿を消し、かといって、ゴムみたいに踏んだ力を逃がしてしまうわけではない。こんなバイク、これまで乗ったことがありません。DSC02161このイメージはフレームを少し持ち上げて後輪を落としてみるとわかります。「バイーン」という感じで跳ねて急速にその衝撃を抑えて止まりますが、これは相当に弾性が高くないと実現しません(タイヤの影響も多分にありますが)。手元のカーボンバイク(タイヤは同じ)で比較すると、カーボンバイクはトントンって感じで跳ねが大きく、止まるまで時間がかかります。とはいえ、2015年以降のハイエンドに触っていないので、今はどうか。そこは楽しみなところです。ちなみに2011年にアメリカの三大メーカーの一つのハイエンドカーボンバイクも乗りましたが、今思えば硬いだけだったなーという印象です。DSC02190経験豊富な友人による説明では、BBの反発が高い回転数でも維持されている、とのこと。自分にはそこまでの解析できませんが、高いケイデンスまで楽に上がって維持できるところは実感できます。

乗れば乗るほどに、ビルダーさんに伝えた自分の「走りたいイメージ」が実現されていることを感じ、その技術力の高さにリスペクトです。また、走れば走るほどに、どんどんと加速させたくなる「媚薬のような走り」。高速域でのスピードの維持はカーボンバイクに引けを取りません。下れば恐ろしいほどに高い安定性と動性能を有しており、ニヤニヤとしてしまうほど。ダンシングすれば、振りが軽くてどこまでもダンシング出来るような感触。アドレナリンが収まりません。

とにかく、楽しすぎる、そんなバイクです。これで本気のカーボンホイールを履かせたらどうなるか、想像したら鼻血が出そうです。

ちなみに、個人的な見解として1台目からのフルオーダーはおススメしません。なぜなら、比較が出来るだけの自分なりの基準が出来ていないと良さがわからない上に、カーボンバイクの方がツールで走っていたりと何かと比較しての所有欲をそれなりに満たしてくれるからです。逆にフルオーダーバイクの価値(走りや見た目)を自分自身で見極められる、その価値観を有している方には自信をもって勧められます。

【フレーム完成までのストーリー】
今回フレーム製作をお願いしたのは、埼玉に本拠地を置く「鶴岡レーシング」さん。2015年9月に訪問し、工房を見学させていただき、元競輪選手である社長とビルダーさんと3時間以上、実に興味深い業界のお話から、工房のお話しなどなど話し込んでしまいました。

途中で拝見したのは、厚さ10cmはあろうかというオーダー履歴。競輪のトップ選手からのオーダーの証であり、これが鶴岡レーシングの実績と誇りでもあります。有名そうな選手のオーダーもちらほら。競輪に疎くてわかりませんでしたが、とにかく秘めたる自信を感じ取りました。

これでフルオーダーさせていただくことを決意し、まずはパイプ選定から開始。私はオールラウンダーに近い走り方をすることから、上りから平坦、下りまでバランスが重要で、かつ加速性能を重視という実にわがままな要望をお伝えしました。また、カーボンを喰える走りをコンセプトにしたいため、フォークはENVEのカーボン、フレームはTIG溶接で軽さを重視することも条件に。あとは踏むよりも回転重視であることもお伝えして、この後は、ビルダーさんの経験にお任せ。煩いことは言わないようにしてパイプとジオメトリーを決めていきます。決めるまでにいろんな要素をビルダーさんに質問。様々な要素を決めるのに、色々な経験があるということを教えて頂きました。

パイプとジオメトリーが決まるとカラーリング選定へ。はっきり言って、無限のカラーリングから決めるのは非常に難しいです。実に3か月ほど悩みまくって、何とか2015年内に決定出来ました。コンセプトは、Works感、です。

最終的にちょっとスローピングにしたり、フォークカラーを変更したりということもありましたが、2016年
2月後半にフレーム納品となりました。

【パーツ組み上げ】
私が所属するBEYOND70は仲間内でパーツの組み付けをやってしまう、ちょっと異質かもしれない集団。フレームの精度が出ていれば、組み付けに特殊な能力は必要ありません。いろんな分野で得意なことを持つ頼もしい仲間がいるのが、BEYOND70の特長!DSC02169ちなみにフレームの精度は抜群。カーボンバイクは精度の甘さは想定の範囲内ですが、Made in Japan、Handmade in Japan の凄さは伊達ではありません。これはほんと凄いことですし、ビルダーさんも鶴岡レーシングの社長も精度には相当な自信を持っておられました。

最後は気になるスペックです。

【重量】
写真の状態で7.4kg。初めて持って重いが走れば軽い、を実感しました。十分軽いとも言いますが。

【構成】
・フレーム(ブランド名称はDONTZER)
ビルダー:鶴岡レーシング
パイプ:カイセイ8630R オーバーサイズ
・フォーク:ENVE Road 2.0
・ヘッドパーツ:Chris King / NoThreadSet
・ボトルケージ:King Cage / Iris King Cage
・ハンドル:S-Works Shallow Bend Carbon Handlebar
・ステム/シートポスト:ENVE
・シートクランプ:Phil Wood
・サドル:fizik / ALIANTE R3 Braided
・ホイール:Campagnolo EURUS
・コンポーネント:Campagnolo Record 2015
クランク:170mm
チェーンリング:TA X145 / 52T-36T
スプロケット:12-27T
・サイクルコンピュータ:Garmin 510
・ペダル:LOOK / Keo Blade2

※チューブは全てカイセイ8630Rではありません。じゃあ何?っていうと、そこはビルダーさんの財産なので秘密です。

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【その他雑記】
イタリアンな鉄バイク(コロンバス・ニューロン)にも乗っていますが、フォークまで鉄のトラディショナルなフレームです。重量は8kg後半でちょっと重いです。このバイクでははっきり言って現代カーボンには太刀打ち出来ません。平坦の高速域での伸び、上りでの軽やかさ、どれをとってもカーボンに勝てない印象です。ところが、今回のバイク(DONTZER)は全く次元が異なる印象です。弾性の違いが多分にあると思うのですが、分析出来ていません。ちなみにイタリアンな鉄バイクは気持ちよく回せる領域、スイートスポットが非常に狭いなーと感じています。とはいえ、グラフィックや一人で乗ったときの楽しいと思わせる走りは硬いだけのフレームと異なります。

今回のバイクを乗った結果、改めて現代カーボンが追い求めている方向性は、軽さと硬さではなく、2014年以降から軽さと空力に加えて弾性(快適性とBB付近のしなり)、ではないか?と考えています。

1.軽さを求めて薄肉大口径化し、大口径化することで空力が悪化するので空力向上ために形状を複雑に解析
2.硬すぎるために形状や素材をコントロール(これがカーボンの特長でもありますが)
3.BB近辺がゴムのようでは踏んだ力が推進力に加わらないので、高弾性カーボンを適材適所に配置
※ゴムとは、力を吸収してしまうかのように、反発が遅くてリズムが悪い、という意味。

こんなイメージです。かってな個人の見解なので、鵜呑みにしないようにしてくださいね。

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